〔 鰹節ができるまで 〕

鰹節製造所が位置する鹿児島県指宿山川町の空撮。奥に見える山は薩摩富士。

良質の鰹削り節つくるためには良質の鰹節を仕入れる必要があります。
当社では、主に鹿児島県指宿市山川町で作られる鰹節のなかから選び抜いた鰹節を使用しております。山川町は鰹節の王様と呼ばれる「鰹本枯節」の生産量の全国約7割を生産しています。

帰港した漁船から鰹が水揚げされている風景

原料となる鰹は、鮮度が落ちないよう漁獲後すぐに船上で瞬間凍結されます。
漁獲方法は主に一本釣りと巻き網です。
漁獲場所は日本近海、中西部太平洋、インド洋です。

良質の鰹節を作るためには、筋肉質で脂肪分の少ない成魚を選ぶことです。人間で例えるとスポーツ選手の様な鰹です。鰹も人間と同じで育ってきた環境、食べてきたものや年齢によってその体格がまちまちです。

鰹は鮮度が命です

頭と内臓を除去する

鰹節に適した鰹を厳選し、鰹をさばきます。魚体の小さいものは3枚におろし、身の大きいものはさらに血合いの部分で腹側と背側に切り分けます。長年にわたり信頼関係を築いてきた高い技術を持つ製造所で鰹節加工を行います。

さばいた鰹は籠に丁寧に並べられ、大きな煮釜で2時間半ほど煮ます。

煮上がった鰹は骨や皮を取り除き、綺麗に修繕したあと丁寧に籠に並べていきます。

その籠の下でカシやクヌギなどの堅木を燃やし、20〜30日間ほど鰹を燻し、水分を飛ばしていきます。

ここで出来たものが「荒節」と言う鰹節です。一般的に流通している鰹の削り節はこの「荒節」というものを削ったもので比較的安価に購入することができます。

鰹節の王様「本枯節」を作るためには「荒節」の表面をきれいに削り、そこに優良カビを繁殖させます。カビ付けをする目的はカビが鰹節の水分を吸収することにより乾燥がより進み保存性が良くなることと、脂肪・タンパク質を分解してくれて味、香りが一層良くなるからです。カビ付けと天日乾燥を4回以上繰り返し、6か月以上もの時間をかけて「鰹本枯節」が出来上がります。